
入社2年目、営業デビューしたばかりの私に、大きな試練が立ちはだかりました。
先輩が長年担当してきたお客様を引き継ぐことになったのです。
築き上げられた関係性、取引額の大きさを前に、高まっていくプレッシャー。
実際、最初は新人扱いされ、用件があっても私の携帯電話にはかかってこず、信頼されていないことは明らかでした。
そんな状況の中でも、「やるしかない」と、決してあきらめませんでした。
最初の1か月間は何度も何度も、そのお客様の事務所に足を運びました。 本来、配送職が届ける商品を自ら持って行ったり、追加の部材を施工現場まで直接持って行ったり。 顔を覚えてもらうため、信頼してもらうために奔走しました。
見積依頼や納期の問い合わせ、注文があれば、即座に対応。 必死にお客様のご要望に応えていったのです。

そして引き継ぎから3ヶ月経ったある日、待ちに待った瞬間は、突然やってきました。 携帯電話が鳴り、光る画面を見ると、そこにはお客様の名前が映し出されていたのです。
初めてかかってきた電話に、震える手。
驚きと歓喜。
それは、自分を認めてもらえた瞬間でもありました。 それから、関係性は徐々に変化。 どんな小さな用件でも、私宛に電話がかかってくるようになりました。
「いつも助かる!」と言ってもらえたときは、本当にうれしかったですね。 今では冗談を言い合う仲になっています。
お客様と信頼関係を築くために大切なのは、誠実さ。それは新人であっても、ベテランであっても変わりません。 お客様のご要望をお聞きし、応えていく。それが営業の基本です。